スローなコメディにしてくれ
Photo N.Kurisu

2017.9.4

津軽の小さなスナック「とまり木」に国内外からママを目指して客がくる。 スローな飲バウンド no.2

by 須田 泰成

酒場が地域と人生を豊かにする

スローな飲バウンド no.2
青森県弘前市 スナック「とまり木」

「ここ数年、地元のディープなお店に行きたがる観光客が増えました」
そう語るのは、青森県弘前市で旅行会社「たびすけ」を経営する
西谷雷佐(にしや・らいすけ)さん。
東京や大阪などの大都市圏、或いは、
海外の旅行者と日本の地方の人や暮らしをつなぐ「着地型観光」が専門の
言わば「インバウンド」のスペシャリスト。

そんな西谷さんイチオシの酒場が、弘前の横丁にある、
地元の高齢者の溜り場感濃厚な昭和のスナック「とまり木」である。

「東京や外国の若い観光客を連れて行くと、素敵!これぞリアル!と、
皆さん喜んでくださいます。弘前のインバウンドの秘密兵器です(笑)」

SNSを通じて個人が自分の体験をどんどん発信できるようになった現代は、
いわゆる一般ピープルも他人との差別化を意識し、
投稿への「いいね!」数を気にする時代。
旅をするなら、画一的なものよりも、
その土地ならではのユニークなものが好まれる。

昭和感あふれるママの佇まいには誰しもほっとする

「とまり木は、ママの占いが人気なんです。
津軽弁なので、東京の人には聞き取れない部分が多い。
ママは、わかりやすいように標準語を話しているつもりのようですが(笑)」

出張で青森を訪れる営業のサラリーマンや旅好きのOLさんなどには、
リピーターも少なくないという。

「手相を見て、いろいろ親身に話してくれるママの温かさは、
ここにしかないプライスレスなものと思います」

一見の若い女性客が楽しむ様子をじっと優しく見守るママ

北国の横丁のスナックで、ママがつくる昭和の水割りを飲みながら、
手相の順番を待つ。そんな時間も乙なのではないか。

スナック:とまり木
住所:青森県弘前市大字新鍛冶町78 サントリー会館 1F
電話: 0172-33-9118
(営業時間要確認)

西谷さんの会社「たびすけ」は、こちら♩

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須田 泰成

「スローなコメディにしてくれ」
 編集長+プロデューサー+ライター。
always look on the bright side of human life♩な
「もの+こと+ひと」を取り上げながら、
地域や企業のリアル・ムーブメントも熟成発酵させている。

世田谷区経堂と全国の地域の生産者と文化をつなぐ
経堂系ドットコムを2000年から運営。
イベント酒場さばのゆをハブに全国のつながりを醸す日々。
東日本大震災の津波で流された石巻の缶詰工場・木の屋石巻水産
の泥まみれの缶詰を洗って売るプロジェクトは、
さばのゆから全国に広まり、約27万個を販売。
工場再建のきっかけとなった実話をまとめた
復興ノンフィクション
『蘇るサバ缶〜震災と希望と人情商店街〜』(廣済堂出版)が
2018年3月に出版された。
その他、経堂こども文化食堂など、ソーシャルな活動も多い。

本業は、著述、映像・WEB制作、各種プロデュース。
著書に『モンティパイソン大全』(洋泉社)、など。
脚本・シリーズ構成に『ベイビー・フィリックス』(NHK),
『スーパー人形劇ドラムカンナの冒険』(NHK)など多数。

『シャキーン!』(NHK)『すっぴん!』(NHKラジオ第一)
などの番組立ち上げもいろいろ。

テレビ、ラジオ、WEB、脚本、構成、
執筆、制作、講演などの仕事多数。
お仕事も承っております。
Twitter:@yasunarisuda
facebook:https://www.facebook.com/yasunarisuda
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