2017.8.29
話題の「くらべる」シリーズ新刊『くらべる値段』(東京書籍)が出た!
「三方よし」と「もの」の値段の深い関係
あと、
「さすがに高いものは違うと思ったもの」のひとつは、
「巻き簾」です。
100円の「巻き簾」がいろんな竹の部材を
ランダムに並べたのに対して、
2500円の「巻き簾」は、職人の手仕事で、
同じ一本の竹から順番も同じように並べたもの。
「田中製簾所」で作られたものは、
惚れ惚れするような滑らかさでした。
まとめ的な感じになりますが、
「三方よし」という近江商人の心得がありますよね。
これは、あるべき商売というものは、
「売り手よし・買い手よし・世間よし」という、
売り手と買い手が満足して、かつ社会貢献できる
商売であらねばならないという考えだそうです。
この「三方よし」を考えるには、
「もの」の値段の背景に思いを馳せることが大切だと、
この本を作り終えて強く思いましたね。
世の中の多くの人は、
消費者であると同時に生産者でもあると思います。
「なんでも安ければ安いほうがいい」という考えが、
なんの検証もなく世の中に行き渡り過ぎると、
多くの人にとって生きづらい世の中になると思うのです。
「高いものにも理由があり」「安いものにも理由がある」
その二つを理解した上で
「三方よし」の商売が成り立つ社会を目指すのが良いかなと。
『くらべる値段』(東京書籍)を読んで、
そんなことを感じていただけるとうれしいです。
そして、刊行を記念しまして、
取材先のひとつでもあります明治13年創業のすき焼き専門店
浅草「ちんや」(http://www.chinya.co.jp/)にて、
著者と店主のトークショーが行われます。
本書でも紹介されました「適サシ肉」と「赤身肉」のすき焼きを食べくらべる会。