2017.8.29
話題の「くらべる」シリーズ新刊『くらべる値段』(東京書籍)が出た!
炭と花火は、少しお金を足すのが吉
次は、
「もう少しお金を出して、いいものを買いたいと思ったもの」
その1は「炭」です。
ホームセンターなどで売られているもっとも安い炭は、
マングローブを原料とした外国産です。
これらはしっかりと時間をかけて炭化させたものではないので、
煙が出て嫌な臭いがする。
バーベキューが臭いと思っている人は、
この安すぎる炭を使っていることが大きな原因です。
少しお金を足して、良質の国産品を買えば、
嫌な匂いがすることもありません。
僕は、この国産の炭の良さを知って家で七輪を始めました。
その2は「花火」です。
安い花火と高い花火の大きな違いは、火薬の量なんです。
同じ「ススキ」というポピュラーな手持ち花火でも、
たくさん火薬が入ったものは、
長持ちするだけでなく、色の変化も楽しめてとても面白い。
今、ほとんどの人が、
たくさんの花火が入った「セットもの」を買っていますが、あそこに封入されている花火は、安くて火薬も少ない。
専門店でちょっと高いものを買うと、
「今までの花火って何だったの?」と驚くと思います。
もちろん、
「安くても素晴らしいもの」も目からウロコでした。
「万年筆」について調べていて、
印象的だったのはパイロット万年筆の「カクノ」。
万年筆のペン先には「金」が広く使われていますが、
どうしても高価になり、ユーザーが減少傾向にありました。
そこで、同社が初心者向けの「エントリーモデル」として、
千円の価格にこだわって作った「カクノ」は、
ペン先をステンレスにするなどして、
この価格を実現したんです。
千円ですけど、素晴らしい書き心地で、
いつか高い万年筆も買ってみたいなと思わせる、
まさに「エントリーモデル」たり得る名品だと思いました。