スローなコメディにしてくれ
Photo N.Kurisu

2017.5.25

震災から6年。石巻・木の屋の「いきなりサバ太郎!」を使う飲食店が増えている。

by 須田 泰成

被災地域のイノベーション

東日本大震災から6年。

木の屋石巻水産のサバチップス
いきなりサバ太郎!を使う人気飲食店が増えている。

東日本大震災から6年以上が過ぎた。
仙台などの都市部は、賑わいを取り戻したかに見えるが、
被害の大きかった沿岸部、原発のある福島など、
まだ震災の爪痕が深く残り、人口が減り、
産業復興もままならない地域が少なくない。

例えば、宮城県の水産業は、年間売上げが、
震災前の四割程度というから、完全な復興とは言い難い。

しかし、そんな中にも希望を感じさせる商品が、
ポツポツと出てきている。

やはり大切なのは、経済の復活。
製造業が元気になり、モノが売れなければ、未来は見えてこない。

「スローなコメディにしてくれ」が注目するのは、
「いきなりサバ太郎!」というユニークなサバのチップス。

伝説のテレビ番組「料理の鉄人」などを手がけ、
食通として知られる、あの小山薫堂さんが、
Fm yokohamaのラジオ番組「FUTURESCAPE」のポッドキャスト収録中に
「いきなりサバ太郎!」を試食して感動。
「最高金賞」に選ばれたという商品。

こちらからポッドキャストで聴けます。
1番下の裏フューチャーのバナーから入ると、
iTunesのプレビューが開きます。5月13日の放送を聴いてください。

そんな、いきなりサバ太郎!を使う人気飲食店が増えているという。


小山薫堂さんも高評価のサバチップス
ビールにピッタリ!ごはんにサイコー!

石巻市の木の屋石巻水産(以下、木の屋)は、
震災の津波によって社屋・工場が流されたが、
埋まっていた泥にまみれた缶詰を掘り起こし、
東京・世田谷の経堂の街の人々と一緒に
希望者に義援金と引き換えに渡す活動を始め、
20数万缶が全国に行き渡り、復興のきっかけとなった会社だ。

※詳しくは、
NHKオンラインのブログ「絵本『きぼうのかんづめ』広がる支援」をご覧ください。

2013年に工場を再建、
2015年度に震災前の売上げを復活。

毎年、地元の新卒の若者を雇用して、
地域経済に貢献を続けている。

そんな木の屋が、
2016年8月にオリジナル商品として発売したのが、
「いきなりサバ太郎!」というサバチップス。

基本は、鯖節だから、旨味たっぷり、
パリっとした食感が楽しめ、ピーナッツとの相性も抜群。

ビールのお供に最高で、
冷や奴や、ご飯やパスタにかけても美味と、
じわじわ評判が高まっている。

ちなみに「いきなり」は、宮城県の方言で、「とっても」とか「ものすごく」の意味。
「いきなりウマい」は「すっごくウマい」ということ。
※「いぎなり」と訛る地域も多い。

そんなサバ太郎に希望の追い風が吹きはじめている。
食材として興味を持つプロの飲食店が増えている、というのだ。

まずは、木の屋石巻水産さんと震災前から仲が良く、
復興に協力した世田谷区・経堂の街のお店を紹介しよう。

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須田 泰成

「スローなコメディにしてくれ」
 編集長+プロデューサー+ライター。
always look on the bright side of human life♩な
「もの+こと+ひと」を取り上げながら、
地域や企業のリアル・ムーブメントも熟成発酵させている。

世田谷区経堂と全国の地域の生産者と文化をつなぐ
経堂系ドットコムを2000年から運営。
イベント酒場さばのゆをハブに全国のつながりを醸す日々。
東日本大震災の津波で流された石巻の缶詰工場・木の屋石巻水産
の泥まみれの缶詰を洗って売るプロジェクトは、
さばのゆから全国に広まり、約27万個を販売。
工場再建のきっかけとなった実話をまとめた
復興ノンフィクション
『蘇るサバ缶〜震災と希望と人情商店街〜』(廣済堂出版)が
2018年3月に出版された。
その他、経堂こども文化食堂など、ソーシャルな活動も多い。

本業は、著述、映像・WEB制作、各種プロデュース。
著書に『モンティパイソン大全』(洋泉社)、など。
脚本・シリーズ構成に『ベイビー・フィリックス』(NHK),
『スーパー人形劇ドラムカンナの冒険』(NHK)など多数。

『シャキーン!』(NHK)『すっぴん!』(NHKラジオ第一)
などの番組立ち上げもいろいろ。

テレビ、ラジオ、WEB、脚本、構成、
執筆、制作、講演などの仕事多数。
お仕事も承っております。
Twitter:@yasunarisuda
facebook:https://www.facebook.com/yasunarisuda
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