2017.4.17
ムコの力で伝統再生。江戸型染めの生活雑貨ポンピン堂。
使い手の想いを重ねて歴史を刻む守袋の魅力
今年2017年は、守袋を作りはじめて14年目です。
年々、多くのお客さまに手に取っていただけるようになり、
ありがたい限りです。
生活に密着したストーリーが宿るのが良いですね。
最近では御守りをお持ちでない方も多いので、
身の回りのちょっと大切なもの。
例えば「お数珠、印鑑、アクセサリー」などにもお使いいただいています。
選んでいただいた文様の意味に、
使い手の方お一人一人の想いを重ねて様々にお使いいただくのもうれしいです。
お母さんが、出産を控えた娘さんのため、
子育ての守り神「鳩」の柄を贈りたいということもありました。
産院でいただく臍の緒の桐箱を守袋に入れて、
生まれてくる孫が成人した時に渡したいというんです。
他にも、カメラやアクセサリーなどの大切なもの。
バッグの中での小物の仕分けなどにも便利ですよね。
ここ数年は、ファスナーポーチや、職人さんが一つ一つ仕立てたお座布団、
国産の上質な生地を使ったハンカチなども作っています。
いま振り返ると、ポンピン堂のこれまでは、
日本の伝統工芸に縁のない場所から来た僕が、
それまで馴染みのなかった江戸型染めにワクワクして、
勝手に盛り上がり、
職人である妻をむりやり引っ張ってきた16年だったかもしれません(笑)
ぼくが、「オモシロイこと思いついた!」と言う度に。
「オモシロイって何がオモシロイの?」と、妻に言われてましたからね(笑)
けど、四代目だったお父さんが亡くなって、
右も左もわからず、ただただ一生懸命、
妻と妻のおかあさんと三人の家族でがんばって、
モノの魅力とセンスで自力で開拓して、ここまで来ました。
おかげさまで、ひっきりなしの注文をいただいております。
これからは、少し落ち着いてきたので、妻の本来の仕事である、
更銈の伝統的な型染めの仕事にも更に力を入れていきたいと考えています。
久しぶりにさかのぼって思いだすと、
僕たち夫婦は、漫才コンビのようだと思います。
持ちつ持たれつ、
どちらが欠けても今の状態はなかったですね。
僕たちは性格がまったく違います。
妻は、家業の苦労、父の看病などを経験しているため、
型染めを続けるのに慎重な部分がありました。
それに比べて、僕は、楽天家であまり不安を感じないタイプ。
非常にライトな気持ちで「型紙」をアレンジし、新しいものを作ろうとしました。
20代で社会経験も乏しく、
生計が成り立つかどうかも余り深く考えず、
今にして思えば向こう見ずでバカな若者でしたが、
よく言えば、深く考えなかったから無茶できたのかも知れません。
結果的に、いま、妻も型染めを続けているし、
僕もデザインなどに力を発揮できたのは、有り難い限りです。
人生驚きの連続です。
参考:ポンピン堂 公式ホームページ