2018.11.9
お店とは起承転結が数年〜数十年のリアルな劇場。
小田急線・経堂駅の北口3分ほどのところに
「さばのゆ」というイベント酒場を経営している。
組み立て式のカウンターがあり、
落語の高座やトークイベントステージ、演劇やアコースティックにも対応。
5メートルを超える立ち飲みのカウンターにもなり、
私もゆるく接客するのだが、いつも、いろんな人が来て、おもしろい。
↑
昨日はこんな感じ、ほぼワンコインの安酒場。
先日のさばのゆドラマは、ふらりと入ってきた30代の男性。
じわじわカウンターに馴染み、
実は、宮崎でシェアハウスとゲストハウスを経営しているとわかった。
シェアハウスの催しとしてバーベキューを取り入れたいという話もはじめた。
すると、隣に日本一バーベキューに詳しい方がいたのに驚いていた。
さらに、「実は、昔、経堂に住んでいた女性にさばのゆのことススメられたんです」とのこと。
聞いてみると、その女性とは、結婚して名字が変わっていたが、
14、5年前に近所の太田尻家という店のカウンターで一緒になった
宮崎出身のデザイナーさんらしかった。
実は、一度彼女には「将来、飲食店をしたいので、バイトでお店に入ってみたい」と相談され、
当時人手が足りなかった、うどんの「花坊」さんを紹介したことがあった。
いまは宮崎に戻り、嫁ぎ先は、料理屋とのこと。夢が叶ったのかと想像した。
映画や芝居は、2時間ほどで結末に至るドラマ(フィクション)だが、
店や街のドラマは、10年や20年かけて夥しい数のエピソードが錯綜し、
進展したり、消えたり、復活したり、発酵したり、時には、忘れた頃にやってくる。
そのリアル。
写真は、その頃の太田尻家さんの料理写真。
寒い日には「蟹と浅利の雑炊」だった。
寒くても寒くなくても見事な「シメサバ」。
どちらもワンコインの思いで。